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平成27年7月26日
第一回目 天の巻 神代の響 |
7月26日(日)「神社と芸能」の第一回目が行われ、144名の方が受講しました。
冒頭の開講式で主催者を代表して六車勝昭兵庫県神社庁副庁長より、連続講座の趣旨ならびに今回の講座のテーマである神社と芸能の関わり、第一回目の出演団体である生田雅楽会について触れたのち、「今回の講座が参加者の皆様にとって実りある講座になりますよう祈念致します」と挨拶しました。
続いて講義に移り、神楽や雅楽の歴史、楽器紹介、舞楽装束の着装方法や舞楽についての説明と、実際の演奏では、生田神社の巫女による「浪速神楽 剣の舞」、昭和天皇御製「天地(あめつち)の 神にぞ祈る 朝なぎの 海のごとくに 波立たぬ世を」を神楽にした「神楽 浦安の舞」、昭和40年に作られた生田神社の「神楽 生田舞」の三つの神楽が奉奏されました。
また、雅楽では平安貴族のような色とりどりの狩衣を纏った生田雅楽会の演奏者が、平調音取、越天楽、陪臚の三曲を演奏、最後に勇壮な「舞楽 蘭陵王」が奉奏されました。
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平成27年8月9日
第二回目 地の巻 産土の舞 |
8月9日(日)「神社と芸能」の第二回目が行われ、96名の方が受講しました。
講義では神戸女子大学古典芸能研究センターの小栗栖健治客員教授が「ふるさとの祭りと芸能」と題し、「村」の成立と祭りの歴史、都での祭りが地方に伝播していく過程を兵庫県内に現存ずる神事芸能を例に取り上げながら説明した。また、中世から近世にかけて、風流踊りや獅子舞が発展してきた過程や、頭屋神事、屋台・檀尻の成立など、兵庫県内に伝わる神社の祭りと深い関わりを持つ芸能を紹介しながら、県内各地の神社で行われる様々な祭りで奉納される芸能は、神様に捧げるものから次第に人々も共に楽しむ芸能へと進化していった流れについて説明した。
伝統神事芸能として、姫路市豊富町の金竹(かなたけ)の獅子舞(姫路指定文化財)と、洲本市下内膳の栢の森(かやのもり)住吉神社の御田植神事が実演され、金竹の獅子舞では雄獅子が勇壮に舞う「導引」と、猿と雌獅子、チャリ(ひょっとこ)がユーモラスに舞う「相の山」の二演目を披露した。また、御田植神事では、小学一年生の早乙女が桜の枝を苗に見立てて、神主の太鼓に併せて田植えの仕草を行った。
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平成27年8月23日
第三回目 人の巻 禊祓の技 |
8月23日(日)「神社と芸能」の第三回目が行われ、125名の方が受講しました。
今回は「傀儡(ぐぐつ)」とよばれる流浪の芸能集団が、「祓えの芸」として大切に守り伝えてきた神事芸能である「筑紫舞」を題材に、筑紫舞の研究・伝承をされている神戸女子大学の鈴鹿千代乃教授が、冒頭で、禊と祓について解説したのち、神戸神事芸能研究会の方より、巫女舞や神舞、筑紫舞の実演頂いた。舞の中には激しく跳ぶ、回るなどの所作が含まれているものが多くあり、それらには「祓え」の要素が含まれており、全身を極限まで駆使して舞うことによって、人々のケガレを受け止め、そして神に渡して祓うという、神話の時代から脈々と受け継がれている「神事」と「芸能」が一体化した姿に、受講者は見入っていた。
講座終了後、西井璋兵庫県神社庁長より、「この三回の講座は、神社と芸能の関わりについて学ぶ良い機会であったと思われる。今後またこのような企画があれば、ご参加頂ければ幸いである。」と閉会の挨拶を述べた。
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